【栄養士監修】摂りすぎた塩分を排出する食材とは?飲み物・食べ物も紹介します

塩

日本人の国民病とも言われる「高血圧」の原因になりかねない塩分の摂りすぎ。高血圧から起こる重大疾患や突然死を防ぐためにも、減塩に気をつけるだけでなく、塩分をしっかりと排出することが大切です。塩分が身体の中で排出されるメカニズムや、すぐに試せる塩分の排出方法をご紹介します。

塩分の摂りすぎはむくみや高血圧の原因に

脚・スキンケア

塩分の大半を占める「ナトリウム」というミネラルは、体内の水分バランスや細胞内外の浸透圧を維持するなど、大切な働きをします
しかし塩分を摂りすぎている場合は、塩分濃度を調節するための水分が身体の中で増えてしまいます。 これがむくみや高血圧などのさまざまな症状を引き起こす原因となります。

日本人は塩分の摂り過ぎ?塩分には1日の摂取基準がある!

塩分摂取量

WHOなど、世界各国の高血圧予防のための食塩摂取目標量は、5g/日とされています。日本の食事摂取基準は、男性で8.0g/日未満、女性で7.0g/日未満を目標量としています。
しかし実際は、日本の成人1日あたりの食塩平均摂取量は、男性で10.8g、女性で9.2gとそれぞれ2gほど目標量を超えています。世界基準と比べると4g以上もオーバーしています。

日本では、伝統的な調味料(醤油・味噌)やインスタント麺など、普段当たり前に食べているものにたくさんの塩分が含まれているため、個々で塩分の摂取量に気をつけなければすぐに目標量を超えてしまいます

減塩の取り組み方

食品を買うときには…

家で作ったものではなくお弁当や総菜、加工肉・加工食品には塩分が多く含まれます。パンや麺類も、白米に比べると塩分が含まれています。そのため高血圧やむくみを気にされる方は、主食はできるだけご飯にした方が良いでしょう。スーパーやコンビニで買い物する場合は、パッケージの塩分量を確認し、1日の摂取目標を超えないようにしましょう。

家で料理をするときには…

料理に使用するのは、ナトリウム含有率の低い塩がオススメです。ミネラルなどの栄養成分が取り除かれ、ほぼナトリウム成分のみである精製塩ではなく、できるだけナトリウム含有率の低い(75%以下が良い)塩を選びましょう。ナトリウムが少ない分、他のミネラル(カルシウム、カリウム、マグネシウムなど)が多く含まれています。具体的には「粗塩」「○○の塩」といった商品名のもの、また原材料が海水であるものなど、パッケージの情報から見分けることができます。

塩分排出を助ける成分とは?

減塩を意識し塩分摂取量を抑えても、きちんと体の外へ排出されなければ意味がありません。塩分に含まれる「ナトリウム」を過剰に摂った場合、よくみられるのがむくみ、最悪の場合は高血圧等の生活習慣病の原因となります。そのため、減塩に取り組むだけでなく、滞りなく塩分を排出することが重要です。
塩分を排出してくれる成分としては、「カリウム」や「食物繊維」などが挙げられます。これらについて、具体的に見ていきましょう。

カリウムの働き

カリウムとナトリウムには、細胞の浸透圧を維持・調整する働きがあります。細胞内にナトリウムが増えすぎると血液量が増えて血圧の上昇につながります。逆にカリウムには摂り過ぎた塩分(ナトリウム)を排出し、血圧や体内の状態を正常に保つ働きがあります。

ナトリウム・カリウム

カリウムの上限値は設けられていませんが、腎臓などに障害がある場合はカリウムの排出がうまくできないため、摂りすぎには注意が必要です。果物ばかりを食べ続ける・・・など、普段の食生活が乱れると、カリウムの摂りすぎにつながること(高カリウム血症)もあります。偏った食事は避けるようにしましょう

あまり知られていない注目の成分!!「アルギン酸塩」

アルギン酸塩

アルギン酸塩とは、海藻の褐藻類(昆布、わかめ、ひじき、もずくなど)に含まれるアルギン酸が、海中に含まれるミネラルと結合した天然の食物繊維です。

人の消化酵素では分解されない水溶性の食物繊維なので、消化されずに便として体外へ排出されます。そのため、摂りすぎの心配はありません。腸内環境を整えたり、血糖値の上昇を防ぐなど、様々な効果があることがわかっている注目の成分です。

アルギン酸塩はミネラル分(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)との親和性が高く、食事と一緒にとることで食事の塩分を吸着し、便と一緒に体外に流し出す働きがあります

塩分を排出する食べ物・飲み物

カリウムやアルギン酸塩を含む、塩分を排出する食べ物・飲み物を紹介していきます。

塩分排出におすすめのカリウム・アルギン酸塩含有食品

カリウム

アボカド

カリウムを多く含む食品は以下の表をごらんください。
厚労省の定める日本人の食事摂取基準では、高血圧予防の観点からカリウムの摂取量は、1日3,500mgが望ましいとされています。日本人の摂取状況から、目標値を男性2,800~3,000mg、女性2,700~3,000mgとしています。1日3食食べるとして、1食あたり約1,000mg必要なので、食事を抜いたり、パンや麺だけ、などの偏った食事をすると不足することがわかります。
下記で挙げている食材を取り入れるよう心がけるといいですね。

食品名 1食目安量 カリウム含有量(mg)
バナナ 1本(100g) 360
アボカド 1/2個(50g) 360
豚もも肉・鶏むね肉 100g 350
ほうれん草 1/2束(100g) 345
納豆 1パック(50g) 330
ひじき(乾) 5g 220

アルギン酸塩

わかめ

アルギン酸塩を含む食品は、海藻類(昆布、わかめ、ひじき、もずく)です。
含有量は乾燥した状態の30~60%と言われており、100gの海藻からは30g~60gのアルギン酸塩が摂れます
たとえばいつもの食事に、納豆(カリウム)や海藻類の料理(アルギン酸塩)を追加するだけでも塩分排出に役立ちます。アルギン酸塩が含まれる海藻類はカロリーが低いので、ダイエット中の方や健康に気を遣っている方にも食生活に取り入れやすいのがうれしいポイントです。
ただし、海藻類に同時に含まれる「ヨウ素」については、過剰でも不足でも甲状腺に健康リスクを伴うとされていますので注意が必要です。効率的に摂取できるサプリメントを活用してもいいでしょう。

塩分排出を促す飲み物&レシピ

カリウムは果物や野菜にも多く含まれるので、飲み物にして摂ることができます。

バナナとほうれん草のスムージー

グリーンスムージー Green Smoothie

【材料(2杯分)】
バナナ 1本
ほうれん草 1/2袋(100g)
牛乳または豆乳 250ml

【作り方】

  1.  ほうれん草は洗って5cm幅に切り、バナナは手で適当な大きさにちぎる。
  2.  すべての材料をミキサーに入れて飲みやすい状態になるまでよく混ぜる。

塩分排出を促す食べ物&レシピ

アルギン酸塩が多く含まれている海藻類は、料理にも取り入れやすいですよ。

もずくと豆腐のみそ汁

もずくの味噌汁
【材料(2人分】
生もずく 50g
豆腐 100g
だし汁 300cc
味噌 大さじ1〜
小ねぎ 1本

※もずくは小分けにして、冷凍保存しておくと便利です。

【作り方】

  1.  小ねぎは小口切りにし、もずくは洗ってざるにあげて水気を切る(長ければ食べやすい長さに切る)。
  2.  だし汁を鍋にかけて沸騰したら火を弱め、もずくを加えて、豆腐を食べやすい大きさに切って入れる。一煮立ちしたら味噌を溶かし、火を止めて、ねぎを加える。

さっと食べられるもずく酢や、味付きめかぶ、焼き海苔などもカリウムや食物繊維が摂れるのでオススメです。

外食や、出来合いのお惣菜を買うことが多かったりして塩分の摂りすぎが気になる場合には、アルギン酸塩を主成分とした「塩分を体内から流し出す」サプリメントも販売されていますので、取り入れてみてくださいね。

「塩分を排出する」ときくと難しく感じるかもしれませんが、減塩を意識したり、いつもの食事に排出を促す食品を取り入れるだけでも、日々の塩分摂取量を抑えることができます。自身で積極的に塩分のコントロールをして、未来の自分を重大疾患から守りましょう!

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