腸活開始!食物繊維の力で便秘に終止符

便秘には食物繊維がいい!というのはよく耳にする話です。しかし、食物繊維は正しく摂らなければ便秘解消どころか逆効果になってしまうことも。「食物繊維、たくさん摂っているのに改善されない・・・」という方は、悪化してしまう前に摂取方法などを見直してみましょう。

食物繊維

食物繊維は、炭水化物のうち、人の消化酵素で消化されにくい成分のことをいい、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性:不溶性=1:2が理想とされていますが、便秘のタイプによって摂り方に工夫が必要です。水溶性・不溶性とそれぞれ効能が違うので、上手に摂るようにしましょう。%e9%a3%9f%e7%89%a9%e7%b9%8a%e7%b6%ad%e7%a8%ae%e9%a1%9e%e7%94%bb%e5%83%8f

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

  • 水溶性食物繊維

水に溶け、ヌルヌルとした形態と保水性が高いのが特徴です。糖分の吸収速度をゆるやかにするので、食後の血糖値の急激な上昇を抑えます。さらに、脂肪の吸収を抑え、血中コレステロール値を減少させる働きもあります。ほかには便に適度な水分を含ませて体外へ排出したり、腸内細菌のエサになるという特徴もあります。

《種類と働き》

●水溶性ぺクチン
血糖値の急な上昇を防ぐとともに、コレステロールの上昇を抑制します。また、腸内の乳酸菌を増殖させ、腸の調子を整える効果があります。さらには腸内の物質と結合することで便の容積を増やし、腸のぜん動運動を促進します。
<多く含まれる食材>
りんご・いちご・柿・みかん・オレンジ・桃(未熟な果実は不溶性)・オクラ

●グルコマンナン
胃の中で水を吸って膨れる性質があるため、食欲を抑えたり、糖やコレステロールの吸収を抑えたりする働きがあります。
<多く含まれる食材>
こんにゃく

●イヌリン
腸内で発酵分解されるとフラクトオリゴ糖になることで知られています。腸で水分を吸収するとゲル状になり、一緒に摂った糖質の吸収を抑えます。また腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を整える効果があります。
<多く含まれる食材>
キクイモ・ごぼう・にら

●フコイダン
海藻のぬめり成分が腸内の水分を抱え込み、余分なコレステロールや糖分を吸着して体外へ排出するほか、高血圧予防、整腸作用の促進効果などがあります。
<多く含まれる食材>
昆布・わかめ・もずく・めかぶなどの海藻類

  • 不溶性食物繊維

水に溶けず、水分を吸収するのが特徴です。便のかさを増やして排便を促す作用のほか、腸内の有害物質を体外へと排出させる働きを持つともいわれています。

《種類と働き》

●セルロース
ほとんどすべての植物に含まれており、食事から摂取する食物繊維の大半を占めています。 腸内で有害物質を吸着して排出し、便の排泄を促します。
<多く含まれる食材>
豆類(おからも含む)・ごぼう・さつまいも・穀類

●ヘミセルロース
セルロースに似た働きがあり、腸内細菌を増殖させ、便秘の予防や有害物質の排泄などに効果があります。
<多く含まれる食材>
ごぼう・小麦ふすま・玄米・大豆

●リグニン
胆汁酸を吸着して排泄を促す効果があり、コレステロールの上昇を抑制する作用があります。
<多く含まれる食材>
ココア・ピーナッツ・いちご・梨

●キチン・キトサン
腸内でコレステロールや脂肪、毒素を吸着し、体の外へ排出します。消化されにくい性質で、胃腸の弱い人が摂りすぎると下痢や腹痛などを引き起こすことがありますから、食べすぎに注意しましょう。
<多く含まれる食材>
エビ殻・カニの甲羅

このように食材に含まれる食物繊維はそれぞれ違いますので、野菜・海藻・きのこ類・果物・精製されていない穀物などをまんべんなく摂るようにすると良いでしょう。
ただし、便秘のタイプによって摂りたい食物繊維は変わります。「おなかはゴロゴロしているのに便意を催さない」、「いつもコロコロした便」、「便秘と下痢を交互にする」また、「環境の変化(思春期、進学、就職、結婚など)がきっかけで便秘になった」というタイプの方は、水溶性食物繊維を多く摂りましょう。「便の回数が少ない」、「腸がゴロゴロいわない(動かない)」、「年をとってから便秘になった」というタイプの方は、不溶性食物繊維をたくさん摂ると便の容積が増え、腸が刺激されて動きやすくなりますので、不溶性を意識して摂るようにしてください。

食物繊維で便秘が悪化してしまうことはある?

食物繊維というと、ごぼう・さつまいもなどの野菜や玄米をすぐにイメージしてしまい、そういったものばかり食べてはいませんか?これらの食品、食物繊維量自体は多いですが、不溶性食物繊維が大半を占めています。
不溶性食物繊維を摂りすぎると便が水分不足に陥り、カチコチ便となって便秘をさらに悪化させてしまうこともあります。とはいえ、「不溶性食物繊維を食べると便秘になる」ということではありません。たっぷりの水分と一緒に食べたり、よく噛んで食べること、更に海藻や果物など水溶性食物繊維も摂るように気を付けましょう。(痙攣(けいれん)性便秘の方の場合、不溶性食物繊維を摂りすぎないように注意してください。)

便秘改善のための上手な食物繊維の摂り方は?

食物繊維は水溶性・不溶性の両方を効率的に摂取することが大切である、とお伝えしてきました。それでは実際の食卓において上手に摂りいれるにはどのような方法があるでしょうか。いくつかご紹介します。

主食のごはんを玄米に変えてみる

玄米や胚芽米には白米に比べ、食物繊維が多く含まれています。ただし玄米は、あまり噛まずに飲み込んでしまうと消化不良を起こし便秘になりやすくなります。よって、白米から急に玄米に変えるのではなく、徐々に玄米の割合を多くしていったり、雑穀米を白米にいれたりして食べることがオススメです。

主食のパンを白いパンからライ麦や全粒粉パンに変えてみる

ごはん同様、精製されていないライ麦パンや全粒粉のパンは、白い小麦粉のパンに比べて食物繊維を多く含みます。食パンでも精製されていない粉を使ったものを選ぶと良いでしょう。

意識して和食を食べるようにする

食物繊維の供給源として期待できるのが、穀類、芋類、豆類、野菜類、果物類、海藻類などです。主食を穀類から摂り、野菜も根菜、葉菜などをとり混ぜて食べるようにしましょう。それにはやはり和食が最適です。豆類や芋類、海藻類も合いますし、食事全体の栄養バランスも良くなります。ひじきの煮物やきんひらごぼう、切り干し大根の煮物、わかめの酢の物、筑前煮など、昔からの和食には食物繊維がたっぷり含まれています。

ジュースやスムージーはジューサーで作らない

野菜や果物を手軽に摂ることができるジュースですが、ジューサーで作ると食物繊維は取り除かれてしまいます。そのため、ジュースを作るときはミキサーをおすすめします。舌触りは少し悪くなりますが、便秘予防のためにも繊維ごと摂れるジュースを飲むと良いでしょう。

サプリなど、手軽に摂れるおすすめ品

自分で毎日果物や野菜でジュースを作るのは大変…そんなときはサプリメントや手軽に摂れるものを一手段として利用するのもおすすめです。

「イヌリン」のサプリメント

水溶性食物繊維の項目でもお伝えしましたが、イヌリンは腸で水分を吸収するとゲル状になり、一緒に摂った糖質の吸収を抑える働きがあります。そのため、迅速に消化器内を通過することができ、便秘はもちろんダイエットにも効果があるとされています。

寒天

粉末のものは、気軽に使えるのでおすすめです。ジュースなどに混ぜてゼリーを手作りしたり、コーヒーなどの飲み物やお味噌汁などの汁物・スープ、また料理に入れて使えます。外食のとき、時間がなくてちょっと野菜(繊維)が足りないときなど、手軽に食物繊維がプラスできます。

きなこ

食物繊維の他にミネラル(カルシウム、鉄分、マグネシウムなど)を含んでおり、中でもマグネシウムは便秘に効果があります。豆乳や牛乳、ココアなどの飲み物に混ぜたり、お餅やお団子、ヨーグルトにかけて手軽に食べることができます。黒ゴマを合わせるとより食物繊維が摂れおすすめです。

食物繊維は、水溶性と不溶性をバランス良く摂ることが大切です。便秘を改善するためには自分の便秘のタイプを知り、食材を上手に摂りいれていきましょう。
まずは穀類、野菜類、果物類、海藻類、きのこ類など、食事を意識していくことが重要です。それでも便秘がちであるという方は、サプリメントやドリンクなどを利用して不足する食物繊維を補い、腸内環境を整えるようにしましょう。

関連コラム