【髪の専門家が教える】白髪の原因と正しい対策法

あるだけで老けて見えてしまう白髪。なぜ白髪になってしまうのか。その原因には対策できるものもあります。加齢のせいだと諦める前に、対策を行いましょう。生えてしまった白髪への対処法もお教えします。さっそく見ていきましょう。
白髪の生え際アップ

白髪の原因とは?その生成メカニズム

黒髪・白髪のメカニズム
白髪の対策を始める前に、白髪が生まれるメカニズムを知っておきましょう。

髪の毛は、頭皮の内側に存在する毛根の奥にある「毛球」で、細胞分裂を繰り返して生成されます。この段階の髪の毛にはまだ色がついておらず、メラニン色素はまだ存在していません。毛母細胞の分裂が活発になり、毛根から頭皮へと生える過程の中で、徐々にメラニン色素を取り込めるようになり、色のついた「美しい髪」がつくられます。
しかし何らかの原因で、メラノサイトの活動が弱まったまま髪の毛が成長すると、色がつかず白髪として伸びてしまいます

考えられる白髪の主な原因

白髪の原因については様々な要因が議論されていますが、科学的根拠がなく明確な答えはありません。
現段階では「遺伝」「加齢」「ストレス」「栄養不足」といったことが、白髪の原因に関係していると考えられています。詳しくみていきましょう。

遺伝

親が白髪だった場合、自分もそれを引き継ぐと思っている人も多いでしょう。しかし、現在の医学ではそれを証明できるものがまだ見つかっていないため、遺伝による白髪だと断定することはできません
ただし、「メラノサイトの活動が弱い体質」の場合には、白髪が遺伝することはなくても「白髪になりやすい体質」を引き継いでいる、と考えていいでしょう。

加齢

髪の毛は細胞分裂の繰り返しによってつくられています。20代までは色素細胞(メラノサイト)の新陳代謝も活発ですが、30代を過ぎると少しずつ細胞の新陳代謝に時間がかかるようになってきます。さらに歳を重ねると、最終的にこの活動が止まり、白髪になると考えられています。髪の色素であるメラニンをつくる時に必要な「チロシナーゼ*」という酵素も、加齢とともに減少することが明らかになっています。

*チロシナーゼ:チロシンというタンパク質(アミノ酸)をメラニン色素へ変えるために必要な酵素の1つ。

ストレス

強い精神的ストレスにより短期間で髪が真っ白になった、という話をよく耳にしますが、人間のヘアサイクル(毛周期)では、短期間で真っ白になることは考えられません。毛穴から伸びて白髪になるまでには数週間かかり、すべて真っ白になるには、数ヶ月から数年はかかります。
ただし、精神的ストレスが白髪の原因であることは十分に考えられます。ストレスで自律神経が乱れると血行が悪くなり、毛根に必要な栄養が届きにくいからです。その結果、メラノサイトの活動も弱まって白髪になります

栄養不足

黒く健康な髪の毛を保つには、「髪の元」となる栄養の摂取は欠かせません。栄養は、血流とともに毛根まで運ばれます。しかし、乱れた食生活や過剰なダイエットをしていると、髪の毛の成長に必要な栄養が不足し、抜け毛が増えて薄毛になったり、白髪への加速がみられたりするのです。

白髪を増やさないための対策

生え際を気にする女性
白髪の原因は人それぞれ異なります。何らかの病気によって起こる白髪は別として、多くの場合、上で述べたことのいずれかが原因だと考えられます。では、その対策方法についていくつかご紹介します。

軽い運動など適度に体を動かして、血行促進

毛根まわりの細胞が弱ると、色素細胞(メラノサイト)の取り込みができなくなるので、血行を良くすることが大切です。適度に体を動かすなど軽い運動を行いましょう。激しい運動をする必要はなく、ウォーキングなど足の筋肉を使うだけでも、代謝が高まり血行が促進されやすくなります。

ストレスを溜めない

ラベンダーのアロマオイル
白髪の予防や改善策として、メラノサイトを活性化させることが最も大切ですが、精神的ストレスの蓄積はメラノサイトの活動を弱めて白髪を促します。

おすすめはアロマ(芳香)によるヒーリングです。血行不良が白髪を増やす原因のひとつなので、血行促進効果のあるラベンダーなどのアロマオイルで頭皮をマッサージします。アロマの芳香とマッサージは、リラックスと血行促進の両方の効果があり、白髪の対策に有効です

髪の元となる栄養素をしっかり摂る

黒い髪の毛を維持するためにはメラニンの生成が欠かせません。メラニンを作成するために、必要な栄養素を含む食べ物をバランス良く摂取することが、白髪の対策として最も効果的です。

1.健康な髪や頭皮をつくる「タンパク質」
<豆・卵・肉・魚など>

大豆と豆乳
タンパク質(アミノ酸)は、健康な髪やそれをつくる頭皮の元となる栄養素です。不足すると髪の毛が弱くなり、白髪を促すことにも繋がりかねません。
代表となる食べ物は「豆」「卵」「肉」「魚」です。メラニンを生成する「チロシン」もタンパク質の一種なので、しっかりと摂るように心がけましょう。

2.メラニンをつくる酵素をサポートする「銅」
<レバー・魚介類・大豆食品など>

黒い髪の毛を維持するのはメラニンですが、このメラニンの生成には「チロシナーゼ」という酵素が必要です。チロシナーゼは「銅」を摂ることで活性化するので、銅を含んでいる食べ物の摂取も欠かさないようにしましょう。
主に、レバーやイカ・タコ・エビなどの「魚介類」、また「大豆食品」にも銅が多く含まれています。

3.メラノサイトの活性を促すための「ヨウ素」
<海藻類・魚介類など>

わかめ
メラノサイト(色素細胞)の活動を促進させるのが「ヨウ素」。髪の毛に黒い色をつけるために必要となる大切な必須ミネラルです。
ヨウ素を含む食べ物は、イワシやカツオなどの「魚類」や、昆布やワカメなどの「海藻類」です。よく「白髪改善には黒い食べ物が良い」と言われているように、ヒジキやワカメ、昆布といった濃い色の海藻類には、ヨウ素が多く含まれています

4.アミノ酸の代謝に関わっている「ビオチン」
<レバー・魚・卵黄など>

ビタミンは健康な髪をつくる上で重要な成分です。なかでも、健康な皮膚を維持する為に必要となる栄養素が「ビオチン」です。ビオチンは、髪の毛の元となるアミノ酸の代謝に関わっており、不足すると白髪になったり、抜けやすくなることがあります
ビオチンは、レバーや魚、卵黄など動物性食品以外にも、ピーナッツや大豆食品といった植物性食品から摂ることができます。

タンパク質 豆、卵、肉、魚
ミネラル(銅、ヨウ素) 魚介類、甲殻類、海藻類、大豆、レバー
ビタミン(ビオチン) 穀類、種実類、鶏卵、レバー

メラニン生成に効果的な栄養素と食材を挙げてきましたが、食事に気をつけるだけでは白髪の対策は難しいです。軽い運動などで血行を良くした上で、しっかりと栄養を摂ることが好ましいといえます。

白髪を隠したい!白髪を隠すタイミングと4つの方法

毛髪断面図
30歳位から白髪が徐々に増加するといわれ、30歳を過ぎるタイミングで白髪を染め始める人が増えてきます。理美容師は、「頭髪全体の量に対して約15%以上が白髪」になってきたタイミングで白髪染めをすすめます。これを1つの目安として検討されるといいでしょう。
髪をかき分けた時、白髪の本数が2、3本程度見える段階では白髪染めの必要はなく、髪全体にカラーリングを施すだけで白髪を隠すことができます
近年の白髪染めは品質が飛躍的に向上し、方法も数多く選べるようになりました。
以下でその4つの方法をご紹介します。

1.ヘアカラー

ヘアカラー
白髪を染める方法として人気なのがヘアカラーです。ヘアカラーは、黒髪用と白髪用がありますが、染まる仕組みは基本的に同じです。キューティクルを開いて染料を髪の中まで浸透させます。
メリットは、他の方法に比べて色持ちが良いことと、自分好みのカラーで染められることです。薬剤が強いため、髪の毛が傷んでしまうデメリットがあります。

2.ヘアマニキュア

ヘアマニキュアは髪の毛をコーティングする方法なので、脱色で髪が傷んでしまうヘアカラーに対しダメージが少なめです。
しかし、髪の毛の中に浸透しないため色持ちが良いとはいえません。ヘアカラーの色持ちが1ヶ月以上なのに対して、ヘアマニキュアは2週間~4週間です。

3.ヘアカラーシャンプー/トリートメント

シャンプーボトル
手軽に髪を染めたい場合は、白髪染め用のヘアカラーシャンプーやトリートメントがおすすめです。使っていくと徐々に髪が染まりますが、仕組みとしてはヘアマニキュアと似ていて、天然染料がイオンの力により髪に吸着して発色させます
メリットは、髪の毛が傷まないこと、色ムラが出にくいことです。シャンプーに染料が含まれているので、塗り残しがなく、洗い続けることで目立った色落ちも起きません
ただし、染まるスピードが穏やかなので一度に全部染めることができず、パーマ液(アルカリ)との相性も悪いため、美容室でのパーマや縮毛矯正が難しくなるデメリットがあります。

4.ヘアファンデーション

必要な時だけ白髪隠しができるのがヘアファンデーション。お化粧のようにパフに適量のヘアファンデーションをとり、白髪部分に軽く塗布するだけなので、白髪染めやヘアマニキュアが面倒な場合におすすめです。
コンパクトなので、外出時いつでも使用できるのがメリットです。目立ったデメリットはありませんが、つけ過ぎると違和感が出るので注意しましょう。

白髪を隠す様々な方法をお伝えしました。
しっかり白髪を隠したい方には色持ちもいいヘアカラーがおすすめです。メリット・デメリットを参考に自分に合った方法を選んでくださいね。

白髪は黒髪に戻る?

一度白髪になった髪の毛は、黒髪に戻らないといいますが、正しいとはいえません。白髪の中には、髪の毛の一部分だけが白髪になっている場合があります。これは白髪の部分が毛根から生えた際、メラノサイトが一時的に破壊されたことを表しています。原因は、食生活や生活習慣の乱れ、ストレスなどから血行不良に陥っている場合がほとんどです。出産や閉経時に起こる血液不足の場合もあるでしょう。このような原因による白髪は、血行を促して正常なメラノサイトをつくることで、黒髪への生え変わりを助けることができます

白髪を増やさない健康的な生活を

新緑の中を散歩する女性
白髪は「老け見え」の大きな要因の一つ。遺伝・体質・加齢などが原因ということも考えられますが、食事や生活習慣の見直しなど、自分でできる対策もあります。日々の健康維持にもつながりますので、できることから少しずつ実践し、いつまでも美しい髪を保っていきましょう。

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